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富士通と電通がパーソナルデータを活用したライフデザインの共同検討を開始

富士通株式会社(本社:東京都港区、社長:田中 達也)と株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、個人が自分のパーソナルデータを主体的に管理できるデータポータビリティ社会の到来に先駆けて、パーソナルデータを個人が自由に活用できる「マイデータ・マイライフ」と呼ぶ概念を掲げた活動として、パーソナルデータを活用したライフデザインの共同検討を開始しました。

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Googleカレンダーのデータを活用

本活動の一環として両社は、個人に関わる「時間」と「趣向」のデータを活用し、個人にあったライフスタイルをデザインする実証実験を、2019年8月に実施します。本実証実験では、データは自分自身がコントロールすべきという考えのもと、両社が参加者に、自分自身のデータを自分の生活のために活用することを体感いただくため、参加者が利用許諾した自身のGoogleカレンダーのデータを活用し趣味・趣向のデータをマッチングさせてライフスタイルを提案します。

また、本実証実験に向けて構築するサービスでは、個人が安心してデータを取り扱うことを可能にする富士通のPDS(Personal Data Store)サービスである「Personium(ペルソニウム)」サービスを基盤とし、電通が提唱する「タイムフィリング」という考えのもとで富士通が開発したアプリケーションを使用します。

 

背景

2011年の世界経済フォーラムにおいて「パーソナルデータは、インターネットにおける新しい石油であり、デジタル世界における新たな通貨である」と言われるなど、昨今、さまざまな分野でデータ利活用の検討が急速に進展しています。また、EUでは、2018年5月に施行された「一般データ保護規則(GDPR)」において、データポータビリティ権が規定されるなど、個人がパーソナルデータを自分の意思で主体的に利活用できるという考え方が推進されています。こうした世界的な動きを受けて、国内でもパーソナルデータを個人が主体的に利活用できる社会の実現が期待されていますが、現実的にはソフト面・ハード面の課題があり、環境の整備が求められています。そのような中で両社は、データポータビリティ社会の到来に先駆け、個人の意思のもと、パーソナルデータを活用できる社会の実現を目指し「マイデータ・マイライフ」活動を展開します。本活動の一環として、パーソナルデータを活用することで自身の生活をどのように豊かにできるかを検討していきます。

 

実証実験の概要

今回の実証実験に向けて構築するサービスでは、参加者自身のGoogle カレンダーのデータを取得し、開発したアプリケーションに連携させることで、個人がライフデザインにパーソナルデータを活用できるようにします。参加者がその場で登録する個人の趣味・趣向データと、各自治体の募集・活動などの地域情報や、さまざまなイベント情報・メディア番組情報などといった各種企業の情報とを連動させることにより、個人それぞれの状況に合った情報をレコメンドします。今回の実証実験ではテレビ番組情報などを元に、各個人の趣味・趣向にあったテレビ番組情報などをレコメンドする予定です。

  • 実証期間:2019年8月中を予定
  • 対象者:一般の方約200人を予定
  • 実施場所:東京都内事業所を予定
  • 形式:ワークショップ形式
  • 役割分担:富士通は、データポータビリティ社会において、個人がパーソナルデータを有効かつ安全に活用するためのサービスを検討・検証します。また、サービスの機能面の、利便性と安全性に関して検証します。
    電通は、5月に発足したデータ・テクノロジーセンター データ流通研究部を中心に、マイデータで個人と企業のエンゲージメントを創出するサービスの在り方を検証します。
  • 参加応募:別途サイトにて応募に関して公表予定

 

今後の展開

本実証実験の結果を踏まえ、今後、個人視点でのパーソナルデータ利活用のあるべき姿を両社で検討し、ソフト・ハード面で利便性と安全性を確保したサービスの研究、開発に生かします。また、データポータビリティ社会を見据えたパーソナルデータ利活用モデルを、さまざまな企業も交えて検討していきます。

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