情報銀行の基礎知識

三菱UFJ信託銀行の情報銀行とは

情報銀行は数多くの企業が参入を表明しています。三菱UFJ信託銀行もそのうちの1社です。具体的なサービス内容を発表している情報銀行参入予定企業はほとんどありませんが、三菱UFJ信託銀行は既に「DPRIME」というアプリを発表しています。どのようなサービスなのでしょうか。

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三菱UFJ信託銀行が情報銀行に参入する理由

三菱UFJ信託銀行は、中長期成長戦略において4つの柱を掲げています。①「信託ビジネスのイノベーション」への取り組み、②「コンサルティング&ソリューションビジネス」強化、③デジタル化による変革、④人財・働き方・カルチャーの変革です。情報銀行(デジタルアセット信託事業)は、デジタル化による変革の中核をなし、信託ビジネスのイノベーションを捕捉するものと位置付けているようです。

VRMの世界観

日本で情報銀行の仕組みが作られた背景には、パーソナルデータを個人の手に取り戻すという動きが世界的に広がっていることがあります。こうした個人起点でのデータ流通をVRMと呼びます。三菱UFJ信託銀行は、VRMの世界観を前提に、個人が管理するにはハードルが高い領域を、情報銀行が仲介者として支援する形態を想定しているようです。

 

三菱UFJ信託銀行の「DPRIME」とは

「DPRIME」とは三菱UFJ信託銀行が提供する、個人がパーソナルデータを集約するためのアプリケーションです。集約したパーソナルデータを多角的に可視化できたり、運用先の指定(パーソナルデータの第三者提供)や対価受領の状況を把握できたりします。通常、情報銀行は適切と思われる第三者にパーソナルデータを提供しますが、三菱UFJ信託銀行は個人が提供可否を判断できる点が特徴です。

β版を試行

三菱UFJ信託銀行の「DPRIME」は、2019年中にサービスリリースを予定しています。2018年11月19日から2018年12月16日でβ版の実験も実施済みです。アシックス、NTTデータなど10社1,000人が実験に参加しました。

 

三菱UFJ信託銀行以外の事業者

情報銀行には、三菱UFJ信託銀行以外にも複数の事業者が参入を表明しています。日立製作所、電通、富士通、中部電力、大日本印刷など大手企業が中心です。情報銀行は個人からパーソナルデータを預かり運用する仕組みのため、やはり信頼性の高い大手企業でないと難しいでしょう。第一弾となる認定は、審査を担当するIT連盟から2019年春頃におりると伝えられており、遅くとも5月中には複数社に認可が出ると予想されます。

 

当然情報銀行間で競争にはなりますが、参入予定企業の顔ぶれを見ると、業界がバラけており、個人は1社を利用するというよりも、情報銀行の役割に応じて使い分けることになるかもしれません。

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情報銀行ナビ編集部
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情報銀行ナビ編集部です。情報銀行関連のイベント等を多数主催してきた株式会社インロビの編集者が、情報銀行の基礎知識や最新ニュースを紹介します。